◇最寄り駅の防犯カメラ捜査で、犯罪早期発覚の可能性も
神奈川県座間市のアパートから9人の遺体が見つかった事件で、昨年9月末の3日間に現場近くで相次いで消息を絶ち、その後、犠牲者と判明した福島市とさいたま市の女子高生2人について、神奈川県警内で集団自殺を疑う声が上がっていたことが同県警への取材で分かった。事件性を考慮し、最寄り駅の防犯カメラを捜査していれば、犯罪が早期に発覚していた可能性がある。結果として集団自殺が行われそうな山中に捜索範囲を広げる対応にとどまった。
殺人容疑などで逮捕された白石隆浩容疑者(27)のアパートから遺体で見つかった福島市の高校3年の女子生徒(17)は昨年9月27日に、さいたま市の高校2年の女子生徒(17)は同30日に行方不明になった。2人は6人目と7人目の被害者とみられている。
家族から届け出を受けた福島、埼玉の両県警が2人の携帯電話の電波を調べたところ、白石容疑者のアパートから約20メートル離れたマンション屋上に設置された基地局が、それぞれ同28日と同30日に最後の電波を拾っていたことが判明した。
神奈川県警によると、福島県警からの捜索要請を受けた同28日、座間署は捜索に署員4人を投入。
約3時間にわたって市内の公園や公衆トイレなどを捜した。10月2日には埼玉県警から捜索要請があり、この時点で3日の間に少女2人が同じエリアで行方を絶ったことを把握したことになる。
神奈川県警の内部では、署や県警本部の関係者数十人がこの情報に接していたといい、二つの行方不明事案を結び付けて「集団自殺ではないか」との声も上がった。このため同署は4人態勢で自殺者が集まりそうな場所がないか調べたり、捜索範囲を周辺の山中に広げたりしたという。
ただ、事件に巻き込まれた可能性が考慮されることはなく、2人が利用したとみられるアパート最寄りの小田急小田原線相武台前駅や付近の防犯カメラは調べられなかった。
神奈川県警はその理由について、福島、埼玉両県警からの要請が「通常勤務の範囲での捜索」であり、切迫性がなかったため--と説明。
「できる限りの対応は取った」(神奈川県警人身安全対策課)としている。
犯罪捜査に詳しい立正大の小宮信夫教授(犯罪学)は「10代の女性が行方不明になれば、その後、さまざまな犯罪に巻き込まれる可能性がある。集団自殺が想定されたなら、自殺の教唆やほう助などの事件性まで考慮して対応すべきだった。カメラを調べていれば、結果は違っていたかもしれない」と指摘する。
(以下ソースで)
毎日新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180116-00000131-mai-soci
【【座間9遺体】神奈川県警「集団自殺ではないか」捜査初期には事件性を考慮していなかった!?】の続きを読む