WADA=世界アンチドーピング機構は18日、カナダで会見し、おととしのソチオリンピックでロシアのスポーツ省などが関与し、国家が主導して組織的なドーピングを行っていたと指摘しました。
この問題は、ことし5月、アメリカのテレビ局のドキュメンタリー番組などが、おととしのソチオリンピックで、ロシアが国家ぐるみでドーピングに陽性反応を示した検体をすり替え33個のメダルのうち、少なくとも15個のメダルについて選手にドーピングの疑いがあると伝えたものです。
これを受けてWADAは法律の専門家などからなる独立委員会が調査を進め、18日、チームリーダーのマクラーレン氏がカナダのトロントで調査結果を公表しました。
調査では、問題を告発したドーピング分析機関の責任者の「スポーツ省から特定の選手のリストを渡され検体をすり替えるよう指示された」という証言の裏付けが進められ、調査チームは本来開封ができない検体にフタを開けたあとが見つかり、サンプルをすり替えた痕跡を見つけたということです。
このため、調査チームは、ロシアスポーツ省などがドーピングに関与したことは明らかだとして、ドーピングが国家主導で行われていたと指摘しました。
一方、マクラーレン氏は、ロシア選手団が開幕が間近に迫ったリオデジャネイロオリンピックに出場すべきかどうかなどの処分については勧告を行わず、具体的な言及はしませんでした。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160718/k10010600271000.html