ベルギーの劇場のロゴにそっくりとの指摘があった、2020年東京オリンピックの公式エンブレム。
ところが、このデザインは修正されたもので、当初、佐野 研二郎氏が提案したデザインは、全く似ていなかったことが、審査委員代表への単独インタビューで明らかになった。
五輪公式エンブレムの審査委員代表を務めた永井一正氏(86)は「(五輪エンブレムと劇場のロゴは全く違ったデザイン?)はい、全く違ったデザインですね」と語った。
五輪エンブレムの盗用疑惑が、いまだくすぶり続ける中、あらためてその疑惑を否定した。
永井氏がその根拠としたのは、佐野氏の応募当初のデザイン。
永井氏は「最初の審査した時は、下の方のLみたいなのは、なかったわけで。パーツは同じなんですけれども。ですから、全く似てなかったわけで」と話した。
選考に提出された当初の案には、右下の部分はなく、劇場のロゴとは似ていないデザインだったという。
ではなぜ、その当初案から、現在の形になったのか。
永井氏は「国際審査上、やっぱり『T』っていうのが、(ほかの商標に)どこか似ているんじゃないかというようなことが起こって。
商標っていうのは、デザイン家内の類似よりも、もっと厳しい目で見ますから。そういうことで、少しそのままであれば、国際審査上、引っかかるというようなことで」と話した。
「T」を前面に押し出すと、商標の国際審査で引っかかってしまうという懸念から、佐野氏に微修正を依頼、現在の形になったという。
永井氏は「『T』と字が、Tのこれが、ちょっとこういうふうになっても、違う書体として、完全に、それぞれ著作権があり、認められているんです。
ところが、素人が見ると、TはTじゃないのっていうことになっちゃうわけですね」と話した。
当初のデザイン案と劇場のロゴは似ていないとの見解を示した永井氏について、佐野氏は「永井様のコメントに間違いはありませんが、エンブレムに関しては、組織委員会の広報の方で取材対応されていますので、そちらにお問い合わせいただければと思います」とコメントした。
また、ベルギーにある劇場ロゴをデザインしたデザイナーは、FNNの取材に応じ、修正前に戻せば解決すると主張した。